祭典~六日の午後三時

朝日神社の六日の午後三時からは(四月六日の大祭では午前十一時)

「心のはらい」の三唱(さんしょう)の後、みかぐら歌(御神楽歌)と鳴物入り(太鼓鉦笛拍子木)の舞がある。六人から十人ぐらいの小女や成人男子が立って、音楽とみかぐら歌に合わせて踊る。これを合図に、神と天界(てんかい)の霊が朝日神社に神殿に降下(こうか)し、また天界に還(かえ)っていくといわれている。

神人(しんじん)交感の実在を示すというか、神だけの特別の計らいを示している。

みかぐら歌の歌詞も、となえ方その他一切、神さまの直筆(じきひつ)でありさしずによる。

一下り目に、神さんは、次のようにかいている。


一ツ 広い世界のその中に 日本はまれなる国なるぞ

二ツ 不思議なところは日本ぞや 朝日のみ旗で光りとる

三ツ みな世界がだんだんと 朝日のみ旗にしたがふで

四ツ 世にもまれなる日本ぞや 心のまことが光りくる

五ツ いついつまでもこの心 かがみのごとくにうつしおく

六つ 向こうは海やまどろのなか 朝日の光で助けゆく

七ツ 何かめずらしこの助け 胸のうちにてしあんせよ

八ツ 山坂たち割り道をつけ 世界の果てまで助けゆく

九ツ これまで助けをしていれど 実の神とも気付かず

十ツ この度この地場で 二世でめずらし助けする

[注] 原文はすべて平仮名(ひらがな)である。


日本は、稀(まれ)なる国で、世界の中で唯一特別な存在理由があるとしている。

朝日のみ旗ということは、神の心と力を象徴(しょうちょう)したものであり、朝日神社の名前の由来(ゆらい)でもある。

神心によって、神の教えとはたらきが発揮されて、世界の人々の心が神の地場(神のいる場所)日本へ招きよせられ、同調(どうちょう)するというのが二節三節の大意(たいい)である。

四節五節の大意は、日本人の心がまこと(合わせる心、やさしい心、神さんの心)一節に定まるときがきて、その光が太陽のごとく世界を照らすようになったら、末代までも神の心と世界の栄光の本として、宇宙という鏡の中に写して置いてあげようといっている。

日本が不思議な国であることは、そのよって来る理をすべて神業(かみわざ)に帰している。神が現われべくして現れたここ日本であるから、日本人の心も神心のまことに合致(がっち)する時がくるという強い祈り、悲願(ひがん)というべき慈悲(じひ)と期待を表現している。