クニの、病気治しといえば、独特の特徴があったと言われている。
頭痛持ちが助けに貰いにくると、親様の頭が痛くなった。
脚が曲がらなかった者が来たときは、その者が治るかわりにクニの脚が曲がらなくなったことがあった。
クニからお救けをして貰うと、その病人が癒される代わりにクニの身体がまったく同じ症状を呈したという。
扁桃腺を腫らした者が頼ってきたときには、たちまちクニの喉が腫れ上り、そばにいた者を驚かせたという。
神の社になるほど、辛いことはない。
私には、世界中の人間の埃が集まってくる。
「朝起きたときは、だるうてだるうて仕方ならん」とクニはもらしていた。
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