神さん信心したとて、ちょっとも患(わずら)わんとか、いつも死なんで不事災難(ふじさいなん)もないとか、そんなことはない。
みんな前世(ぜんせ)の因縁(いんねん)や。一年患うところをひと月として下され、不事災難があるところを、ないように軽くして下さる。死ぬ人は、不意(ふい)な死にようにせぬようにして下さる。それが誠の神への信心や。
ちょっとも死なん。ちょっとも患(わずら)わん。そんな無理な願いはない。
それより、心を広う持って、皆の者に心合わせて暮らせば病(やまい)はみんな治ります。
同じ長生きをするなら、喜んで暮らさねば自分の損になるから、自分の徳を考えて暮らせばよいと思う。不足に思うたり腹を立てたりしておれば、長生きする価値がないのであって、自分を粗末(そまつ)にしていることになる。この世の中で一番大切な宝は、自分のからだで、その宝を紛失せぬように心がけてゆく道は、「たんのう」よりない。と、仰せになりました。