親様は言う

井出さんが、神の言うことを聞かない時は、滅多(めった)に怒ることのない親様も怒って、そこらにあった巨石(きょせき)を井戸に向かって投(とう)じた(亭主が、妻の言うことを聞かないことと同じであると思うが・・・)。

それがために、今までは、滾々(こんこん)と湧き出ていた水晶のような水がピタりと止まった。井出さんは、十五人程の人を使って漸(ようや)く、その石をつり挙げたが、依然として水は出てこない。

親様が言われるには、「亭主が、神の言うことを聞かんから、井戸の水を止めた。亭主さえ悪かったと言って謝れば、石があっても水は出る。謝らなければ、何時まで経っても水は出やせん」

井出さんも、仕方なく親様(妻)の所へ行って、心得違いを致し申し訳ありませんと言って謝った。その瞬間から、再び水晶のような水が湧き出るようになったという。

これらは、いずれも常識をもって判断することの出来ない奇跡であります。

それから。もう一つの不思議は、細川村の増田の直吉さんの井戸である、

元来、その家の付近は岩石ばかりで水の出るようなところではない。それを、親様のお指図(さしず)に依(よ)って、一間あまり岩を掘ると、水が出るようになった。

丁度その頃、時を同じくして、ご神殿に供(そな)えていた水壺(みずつぼ)から水が噴水のように吹き上がった。

また、親様が帰ろうとすると、親様について来た信者曰く、三年程前に足を悪くした台湾の信者が、親様に足を治して呉(く)れと懇願(こんがん)したそうだ。親様は、その信者の足を撫(な)でて引っ張ると少し鈍い音がして伸びた。その後、撫(な)でて息を吹きかかけると、三年間苦しんだびっこが即座に立って、自由に歩けるようになった。

更に、身上の不思議なお助けの霊験は、枚挙(まいきょ)にいとまがない。

(当時)今より八年程前に、胸を叩(たた)いて言われた事がある。

「そのうちここに汽車が通るようになるぜ」と言われたが、当時、夫の井出さんが、

「そんなことがあるもんか。こんな所に汽車が通るようなことがあるもんか」と言っていたのが、今は、軌道(きどう)が敷かれて、二、三カ月後には、実際に汽車が走るようになってたのである。すべては、親様の予言して置いたことが、その通り、キチン、キチンとなって来る。

「皆さん、用心しないと、今に神様を他所(たしょ)に取られますぜ」と予言されていたことも、今や事実となって表れるのです。

播州参拝団の国鉄三木駅前での集合写真

かって、旧国鉄三木線には、朝日神社前に「高木神前駅」があった。